フランス欧州ビジネスニュース2026年2月2日(フリー)
1. 「グリーン」水素:スタートアップLhyfe、従業員ほぼ半分を削減する計画
2. 動物医療:レッド・オーシャンで仏Virbacがどのように成長しているか
3. 仏政府、ユーテルサット地上アンテナについてファンドEQTへ売却を阻止
4. 自動車:下請け企業の閉鎖と人員削減が連鎖的に発生
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1. 「グリーン」水素:スタートアップLhyfe、従業員ほぼ半分を削減する計画
フランスのグリーン水素生産大手Lhyfe(ライフ)が、従業員196名の約半分にあたる約100名の削減を計画している。2017年に設立された同社は、2022年の上場時に5年間で売上高を1,000倍にする目標を掲げたが、市場環境の悪化により赤字が拡大している。
苦境の主な要因は、同社が注力した道路移動体(モビリティ)向け需要の低迷である。電気自動車の普及や、1kgあたり10〜20ユーロという高コストが壁となり、化石燃料由来の「グレー水素」に対する価格競争力を欠いている。また、政府による支援策の遅れや規制枠組みの不備も影響し、ポアトゥー地方での100MW級プロジェクトからの撤退も決まった。
同社はコスト削減のため、エンジニアリングや建設などの機能を外部委託し、今後はドイツや北欧など市場が成熟した国へのシフトや、産業用脱炭素分野への集中を図る。一方で、直近3年間で計約900万ユーロに上る最高経営責任者の報酬額が、人員削減に揺れる社内で反発を招いている。同社は2026年に黒字化を目指していたが、その目標達成は延期される見通しである。
2. 動物医療:レッド・オーシャンで仏Virbacがどのように成長しているか
フランスの動物用医薬品メーカー、Virbac(ビルバック)は、競争の激しい市場で高い成長を維持している。世界の動物用ヘルスケア市場は、2025年に約658億ドル規模に達し、年率約4%で成長すると予測されている。その中で同社は、既存事業ベースで7.9%の成長率を記録し、市場平均を大きく上回っている。
この好調の要因は、2018年から継続している明確な戦略にある。同社は世界第6位の地位にあり、成長の柱として「破壊的イノベーション」と「戦略的買収」を掲げている。売上高の8.6%をR&D(研究開発)に投じ、世界12拠点、約700名の体制で開発を推進している。具体的には、15年の研究期間を経て開発された猫の腎不全向け経口治療食「Vitaky」や、抗菌剤不使用の犬用外耳炎治療薬など、革新的な製品を次々と市場に投入している。
また、近年はM&Aも加速させている。2023年にインドのGlobion社、2024年には日本のささえあ製薬を買収し、家畜用ワクチンのシェアを拡大した。さらに英国企業から猫の甲状腺機能亢進症治療薬「Thyronorm」を取得するなど、製品ポートフォリオを強化している。
産業基盤への投資も積極的で、2億ユーロ以上を投じて工場の新設や物流拠点の整備を進めている。2025年の売上高は14億6500万ユーロに達し、今後も恒常為替レートベース5.5%から7.5%の成長が見込まれている。