フランス欧州ビジネスニュース2026年1月22日(フリー)
1. 2025年に太陽光発電の開発が記録的レベル、それでも仏再生可能エネルギー部門、将来に不安抱く
2. ルノー、電気自動車とソフトウェアに特化した1万2000人の従業員を抱える子会社アンペールを解散準備
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1. 2025年に太陽光発電の開発が記録的レベル、それでも仏再生可能エネルギー部門、将来に不安抱く
再生可能エネルギー観測所(Observ’ER)が発表した2025年の年次報告書によると、フランスの再生可能エネルギー発電能力は過去最高の推移を見せている。特に太陽光発電の進展が著しく、2025年末時点の設備容量は30.7GWに達した。これにより、歴史的に首位であった水力発電(26GW)を初めて上回った。一方で、発電量においては依然として水力が太陽光を大きく引き離している。
太陽光発電は2025年の最初の3四半期だけで約4.5GWが系統接続され、個人による自家消費型設置数も3年間で4倍の80万件以上に急増した。対照的に、陸上風力発電は深刻な不振に陥っており、2025年の新設容量は前年比20%から30%減の約900MWに留まる見通しである。
フランス全体の電力消費に占める再生可能エネルギーの割合は、2025年に32.5%に達すると推定され、2030年の目標である40%に向けて順調なペースにある。しかし、将来への懸念は根強い。次期エネルギー多年度計画(PPE3)の策定が遅れており、2025年 9月以降、政府による新規の入札が停止しているためだ。業界団体は、現状を「事実上のモラトリアム(一時停止)」状態であると批判している。電力の過剰供給や政治的不透明感を背景に、今後のエネルギー戦略において再生可能エネルギーの導入目標が下方修正されることへの警戒感が高まっている。
2. ルノー、電気自動車とソフトウェアに特化した1万2000人の従業員を抱える子会社アンペールを解散準備
フランスの自動車大手ルノーは、2023年末に設立した電気自動車(EV)およびソフトウェア専門の子会社「アンペア」を、2025年7月に解散することを決定した。同社のエンジニアや工場勤務者を含む約1万2000人の従業員は、再びルノーグループ本体に直接帰属することになる。
アンペアは当初、新規株式公開(IPO)による資金調達を目的としていたが、市場環境の悪化により断念。さらに、資本参加を期待されていた日産自動車や三菱自動車も出資を見送った。実務面でも、本体との組織の切り分けによる複雑な事務手続きや、費用負担を巡る混乱が現場の停滞を招いていた。
今回の決定は、フランソワ・プロボ新CEO主導による組織の簡素化と効率化を目的としている。アンペアの試みは、新型「R5」や「4L」の投入、開発プロセスの短縮といった一定の成果を上げたが、法的実体としての維持はデメリットが上回った形だ。
一方で、労働組合からは不安の声も上がっている。かつて「フランス国内の拠点をアンペアに集約し、EVの要にする」とした戦略が事実上撤回されたことで、国内工場の今後の役割や、次世代戦略「ルノリューション」の方向性に疑念が生じている。詳細な今後の方針については、2026年3月の戦略発表まで持ち越される見通しである。