フランス欧州ビジネスニュース2026年1月16日(フリー)
1. SunLib、太陽光発電の自家消費を民主化するために2500万ユーロを調達
2. ベルギーのユニコーン製造機、ゲント
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1. SunLib、太陽光発電の自家消費を民主化するために2500万ユーロを調達
フランスのスタートアップ企業SunLibは、太陽光発電の個人利用を普及させるため、初期投資不要のサブスクリプションモデルを展開している。同社は設立から18カ月で、地域経済活性化を掲げる投資ファンドEpopée Gestionから2,500万ユーロの資金調達を実施した。このビジネスモデルの特徴は、通常であれば最大2万2,000ユーロに達する設備費用を、月額数十ユーロ(標準的な家庭で約50ユーロ程度)の定額料金に置き換えた点にある。これにより、家庭は10年から25年の契約を通じて、電力消費量の40%から60%を自給することが可能となる。
フランスにおける自家消費市場は急速に拡大しており、2023年から2024年にかけて設置数は54%増加した。現在、国内の総発電容量は3.8GWに達しているが、ローランド・ベルガーの予測では、2028年までに10GWを突破する見込みである。SunLibはこの成長市場において、300社の独立系設置業者ネットワークを構築済みであり、2024年に獲得した500件の顧客基盤を背景に、さらなる飛躍を目指している。
今回の資金調達により、同社は今年中に4,000から6,000件の新規顧客獲得を計画している。さらに、銀行融資や追加の資金調達を通じて、2030年までに契約者数を10万人にまで増やす目標を掲げている。これが実現すれば、総発電容量は1.5GWとなり、小型の原子力発電所に匹敵する規模となる。このような第三者投資型のモデルは、2028年までに市場全体の4分の1を占める可能性があり、エネルギー転換を加速させる重要な役割を担っている。
2. ベルギーのユニコーン製造機、ゲント
ベルギーの都市ヘント(ガン)が、首都ブリュッセルやアントウェルペンを凌ぐ欧州テック業界の新興ハブとして注目を集めている。その象徴となっているのが、サイバーセキュリティ企業のアイキドー(Aikido Security)である。同社は直近、DST Globalが主導する投資ラウンドで6,000万ドルを調達し、時価総額が10億ドルを突破した。これにより、ヘントが生んだユニコーン企業は、デリバレクト、ライトハウス、チームブルーに続く4社目となった。ベルギー全土のユニコーンが7社であることを踏まえれば、この都市の集中度は極めて高い。
ヘントの成功の背景には、20年前のNetlog(かつてFacebookと競ったSNS)の時代から続く起業家精神の継承がある。成功した先代の起業家たちがエンジェル投資家として次世代を支援するエコシステムが機能しており、アイキドーの創業者ウィレム・デルバーレも、設立時に地元の創業者らから計200万ユーロの資金と製品テストの協力を得ている。また、スタートアップの創業者の49%を輩出するヘント大学の存在も、高度な技術人材の供給源として欠かせない。
現在、ベルギーのスタートアップ投資額の約4分の3はフランドル地方に集中し、そのうち半分をヘントが占めている。アイキドーはすでに収益の半分を北米で稼ぎ、2026年には米国でのさらなる攻勢を計画している。また、同社にはパリのシンギュラー(Singular)が主要投資家として名を連ねるなど、フランスの投資家もこの地の成長に強い関心を寄せている。