フランス欧州ビジネスニュース2025年6月24日(フリー)

1. 決定的な投票の前夜、仏エネルギーの将来、完全に不透明
2. 熱波に関連した原子力発電の削減の可能性、EDFからの新たな警告
3. 仏中堅企業、再生可能エネルギー電力の共同購入に協力、初の試み
4. 仏軍、防衛活動のために80以上のプライベートエクイティファンドと協力
5. 英国、産業流出抑制のためエネルギー税を削減
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9. オンライン銀行レボリュート、新たなリーダーのもと、仏規制当局を安心させるためにあらゆる努力尽くす
1. 決定的な投票の前夜、仏エネルギーの将来、完全に不透明
今後10年間のフランスのエネルギー戦略を定める法案が国民議会で審議され、政治的分裂を引き起こした。右派のLRおよび極右のRNの支持により、太陽光および風力発電の新規プロジェクトに対するモラトリアム(凍結措置)が導入され、政府および業界関係者の反発を招いた。
このモラトリアムについて、エネルギー大臣マルク・フェラッチは「経済的破滅」と非難し、再生可能エネルギー業界の16万人の雇用が脅かされると再生可能エネルギー協会は警告している。しかしながら、法案では2030年までに200TWhの再生可能電力の導入を目標としており、これは2024年比で約33%の増加に相当する。新規設備の禁止と目標の拡大は矛盾している。
さらに、法案には5年前に閉鎖されたフェッセンハイム原子力発電所の再稼働や、2023年に廃止されたガスの規制料金の復活も盛り込まれている。政府と議会の双方で影響評価(インパクトスタディ)の欠如が批判されている。
政府は今夏末までに、エネルギー多年度計画(PPE)の目標を定める政令の発表を予定しているが、今回の法案の採択は不透明である。LFI、社会党(PS)、環境派はすでに反対を表明しており、与党ルネサンス党でも反対の声が上がっている。議会の多数が反対票を投じた場合、7月に上院で法案の再審議が行われることになる。
2. 熱波に関連した原子力発電の削減の可能性、EDFからの新たな警告
EDF(フランス電力)は、7月1日(火)以降、ローヌ川の水温上昇により、特にサン=アルバン原子力発電所(イゼール県)において原子力発電の出力制限が発生する可能性があると発表した。
Météo-France(フランス気象庁)は、ローヌ県とイゼール県に対し、猛暑に関するオレンジ警報を継続している。すでにブジェ原発(アン県)にも警戒が出されたが、6月24日(月)には出力制限は実施されなかった。
原発は河川の水を使って冷却を行い、温度の上がった水を再び放流しているが、生態系保護のために定められた温度と流量の上限を超えないよう運転を調整する必要がある。気候変動の影響で、近年は6月から発電調整が行われる例も増えている。
2023年のフランス会計検査院の報告書によれば、2000年以降、気温上昇や河川流量減少による原発の発電損失は、年間発電量の平均で0.3%を占めている。特に2003年の猛暑では、その損失が1.43%に達し、同時に6GW超の出力が停止し、これは当時の原子力発電容量の約10%に相当したという。
3. 仏中堅企業、再生可能エネルギー電力の共同購入に協力、初の試み
フランス・ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏において、9社の中堅企業が、再生可能エネルギー事業者であるValecoと15年間の固定価格で太陽光発電25ギガワット時を供給する電力購入契約(PPA)を締結した。
この契約は、2022〜2023年のエネルギー危機を受け、企業が電力供給の安定確保と環境負荷の低減を目指す中で実現したものである。これまでSNCFやFnac Dartyのような大企業のみが利用できたPPAを、中小・中堅企業(PME・ETI)にも広げる新たな試みである。
この取り組みは、ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏、ETIクラブ、およびBpifrance(フランス公共投資銀行)の支援のもとで実施された。契約に参加した企業には、Ceva Santé Animale、Bernardaud、Anettなどがあり、年間売上高は2億5000万〜17億ユーロにのぼる。
太陽光発電所は、ロット=エ=ガロンヌ県デュランスの旧砂採掘場に建設され、公的補助金なしで2026年後半に稼働開始予定である。このモデルは、地域での再生可能エネルギーの開発と電力の地産地消を促進し、価格の安定性と予見性を提供する点で、他地域でも展開可能な成功例となる。