フランスビジネスニュース2025年3月10日

今日のトップニュースはフランスとは直接関係ないものの、原発が電力割合の七割以上を占める国としては気になる原発を廃止した隣国、ドイツの核融合に関する記事。
- ドイツ、世界で初めて核融合炉を建設する国を目指す
- フランス、世界第2位の武器輸出国としての地位を固める
- 電力市場:EDFと政府の間で緊張高まる
- ロイヤルティファイナンス、仏テクノロジー企業の新たな資金調達源
- 電池:フランス産低炭素リチウムの約束
- デカトロン:創業家出身の新会長、リスクを伴う戦略転換を監督
- ドイツ、世界で初めて核融合炉を建設する国を目指す
ドイツは、この技術を研究上の優先事項とみなす保守派と社会民主党の合意に基づき、世界初の核融合炉の建設を目指している。同国はほぼ2年前に最後の原子力発電所が閉鎖されたにもかかわらず、廃棄物を出さずグリーンエネルギーを補完できる核融合に期待を寄せている。
目的は、現在レーザー核融合に関する大規模な研究施設を開発している中国にこの進歩を任せることではない。ドイツは2023年に発表された3億7000万ユーロを含め、2028年までに核融合研究に10億ユーロ以上を投資する予定だ。この資金は、磁気閉じ込めとレーザー核融合という2つの競合する技術を対象としている。
磁気閉じ込めの Gauss Fusion や Proxima Fusion、レーザー核融合の Focused Energy や Marvel Fusion など、多くのスタートアップ企業がこれらのイノベーションに取り組んでいる。マーベル・フュージョンは2026年までに米国でプロトタイプを建設する計画だ。ドイツはまた、遅れに直面しているものの、フランスにある国際核融合炉プロジェクトであるIterにも関与し続けている。
2.フランス、世界第2位の武器輸出国としての地位を固める
ウクライナは2020年から2024年の間に世界最大の武器輸入国となり、過去5年間に比べて輸入量が約100倍に増加した。同時に、ヨーロッパ諸国はロシアの脅威に対応して輸入を155%増加させた。米国は世界の輸出の43%を占めて市場を支配しており、フランス(9.6%)、ロシア(7.8%)がそれに続いている。
2020年以降、米国の欧州と南北アメリカへの輸出は倍増したが、アジア・オセアニアと中東への輸出は21%減少した。ウクライナ戦争により、35カ国がキエフに装備を供給しており、そのうち45%は米国からのものだ。夏に予定されている米国の援助停止は、ウクライナにとって重大な結果をもたらす可能性がある。
一方ロシアは、特に制裁と自国の戦場を優先する必要性により、5年間で輸出が64%減少した。同社の主要顧客であるインドと中国は、サプライヤーを多様化し、フランス、ドイツ、米国へと目を向けている。
欧州は依然として世界の武器輸出の3分の1を占めているが、韓国やトルコとの競争が激化している。ラファールやフリゲート艦の販売で利益を得ているフランスは、世界第2位の輸出国となる。イタリアも10位から6位に順位を上げた。受注ガ合戦となってるが、世界市場における米国の優位性が脅かされることはないだろう。
3. 電力市場:EDFと政府の間で緊張高まる
国有化されているEDFと政府は、産業界に原子力発電を販売する方法をめぐって意見が一致しない。 EDFは現在、原子力発電割り当て契約(CAPN)のための欧州規模の入札制度を提案しているが、財務省はこれを断固として拒否している。政府はフランスの産業を支援するために競争力のある価格を保証したいと考えており、一方EDFは収益性の最大化を目指している。
鉄鋼、アルミニウム、化学などの電気集約型産業は、入札によってデータセンター運営会社などの裕福な企業が利益を得て、価格が急騰する可能性があると懸念している。
緊急性は、2025年12月31日にArenh(歴史的な原子力発電への規制されたアクセス)が終了することに起因している。このメカニズムにより、100TWhの電力を42ユーロ/MWhで利用できるようになった。 2023年に締結された協定では、今後15年間の平均価格を70ユーロ/MWhと定めていたが、最近の卸売価格の下落により交渉は複雑化している。 2023年の平均価格は97ユーロ/MWhでしたが、2024年には59ユーロ/MWhに下がり、40%減少した。
EDF は CAPN 契約を 1 件しか締結しておらず (もうすぐ 2 件になる予定)、8 件の意向書を受け取っただけであるが、メーカーは価格が下落している状況で長期契約を結ぶことに躊躇している。そのため、EDF は政府との対立を招くリスクを冒して、他の買い手を引き付けようとしている。