フランスビジネスニュース2025年3月28日
- TikTokショップ、仏とブリュッセル当局の厳重な監視の元、スタート
- 8,000人以上を収容できる超大型クルーズ船MSC「ワールド・アメリカ」がサン・ナゼールで就航
- フランス労働省: 2024年、賃金上昇はインフレ率を上回る
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1.TikTokショップ、仏とブリュッセル当局の厳重な監視の元、スタート
TikTokの新しい電子商取引機能であるTikTok Shopは、2024年12月にアイルランドとスペインに拡大した後、3月31日にフランス、ドイツ、イタリアで開始される。この拡大は欧州委員会によって厳重に監視されていて、同委員会はすでに中毒性のある行為であると非難されているTikTok Liteを含むTikTokに関する3つの調査を実施中だ。
ブリュッセルはTikTok Shopの監視を専門とするサブチームを設置していて、フランスはTemuやSheinなどの電子商取引プラットフォームに対する管理強化を計画している。当局を安心させるために、TikTokはリスク評価を提出し、4月に仏財務省との会合を計画している。同社は特定の製品（武器、薬物、タバコ、医薬品）の販売を禁止し、データセキュリティに120億ユーロを投資する予定。
NGO であるe-Enfanceのディレクター、ジャスティン・アトラン氏は消費依存のリスクについて警告し、一方、電子商取引の業界団体Fevadのマーク・ロリヴィエ氏はユーザーデータに関連する問題を強調している。懸念にもかかわらず、ChericoブランドのGuillaume Roy氏のような起業家の中には、TikTok Shopを成長のチャンスと捉えている人もいる。
この「ソーシャルコマース」モデルは、ビデオのバイラル性と「ライブショッピング」に基づいている。しかし、アナリストの間では、この市場でのインスタグラムとフェイスブックの失敗を思い出し、TikTok Shopの成功については意見が分かれている。
2.8,000人以上を収容できる超大型クルーズ船MSC「ワールド・アメリカ」がサン・ナゼールで就航
世界最大級のクルーズ船の一つであるMSCワールド・アメリカは、マイアミとカリブ海に向けて出航する前に、2025年3月27日にサン・ナゼールで命名された。乗客6,700人と従業員2,000人を収容できる。同じ大きさの他の2隻の船、ワールド・アジア号とワールド・アトランティック号は、2026年と2027年に納入される予定。各船の費用は11億ユーロで、建造中には3,000人の雇用が見込まれる。
クルーズ市場は活況を呈しており、2023年には乗客数が3,170万人に達すると予想されていて、そのうち50%はアメリカ人。2024年には10%の成長が見込まれている。MSCクルーズは、6つのプール、バンパーカー、アクロバットコース、ショー、多数のレストランやバーを備えたエンターテイメントの殿堂として設計されている。
ビジネスモデルは低料金（冬季は500ユーロから）に基づいているが、多くのサービスは有料（専門レストラン、遠足、スパ）。スタッフの多くはアジア出身で、月給約1,000ドル（926ユーロ）で、厳しい労働条件の下で働いている。
環境への影響は議論の対象となっている。クルーズ船は年間平均2万トンのCO₂を排出しており、これは自動車1万台分に相当する。 MSCはLNGを使用しており、ディーゼルに比べてCO₂排出量が20％削減されるが、メタン漏れが発生する。同社は将来的にバイオ燃料を検討している。
3.フランス労働省: 2024年、賃金上昇はインフレ率を上回る
2024年には、民間部門の基本給（SMB）は2.8％増加したが、インフレ率はわずか1.2％にとどまり、実質的な給与増加率はユーロ換算で1.6％となりました。この追い上げにより、インフレが賃金上昇を上回った7四半期連続（2021年半ばから2023年半ば）の期間 に終わりを告げる形だ。ちなみに、例えば2022年第2四半期にはインフレ率が6％のピークに達していた。
労働者および従業員の基本時給（SHBOE）は2.9%上昇し、コンピュータ製品製造（+4.5%）と化学・製薬業界（+4%）で顕著な増加が見られた。一方、宿泊・飲食業と建設業では増加率が最も小さかった。管理職の給与は2.6％増加したのに対し、労働者は2.7％、従業員は3.1％増加した。
2025年には、この傾向は鈍化すると予想されていて、業界全体の賃上げと個別企業の賃上げの増加は、2024年の3.5%と比較して平均2.27%になると予想されている。また、企業の3分の1は賃上げを全く予定していない。減速はすでに目に見えており、中小企業の増加は2024年第4四半期にはわずか0.4％で、2025年第1四半期には0.5％になると予想されている。