日刊フランス欧州経済 2026年7月6日 (フリー)
1. ルノーCEOが語る欧州の危機と戦略、中国勢への対抗策とEV100%化への異論
2. 仏シュナイダー、高業績の裏で国内工場閉鎖の可能性、組合は生産基盤の弱体化を警戒
3. エネルギー転換へ仏大手2社が提言、脱炭素化へ中国との「条件付き協力」を主張
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1. ルノーCEOが語る欧州の危機と戦略、中国勢への対抗策とEV100%化への異論
ルノーは欧州自動車界の苦境に対し、130億ユーロの投資や中国の知見活用、規制凍結の提案で攻勢をかける。徹底したコスト削減や他社協調、日産との良好な連携、主力EVの好調を武器に、企業の強靭化を急ぐ。
ルノーの最高経営責任者(CEO)であるフランソワ・プロボストは、欧州の自動車産業が苦境に立たされる中、新戦略計画「FutuREady」のもと、フランスへ130億ユーロを投資して攻勢をかける姿勢を示した。中国の競合メーカーに対抗するため、フランス国内で同等の技術とスピードでの開発を目指している。その一環として、中国に「ACDC」センターを設立し、現地の競争力の源泉を分析して欧州へ適用している。また、自社技術の独立性を維持することで、他社との差別化を図っている。
企業の永続的な強靭さを求め、必要な変革とコスト削減を断行している。世界的な発信力を持つF1には残留する一方、世界耐久選手権からは撤退を決めた。 欧州の過剰な自動車規制に対しては、2030年までに予定されている100の新規制が価格高騰を招き、顧客の購買力を奪っていると批判し、10年間の規制凍結を提案している。これが実現すれば、開発リソースをコスト削減に充てることができ、2030年までに電気自動車(EV)をハイブリッド車と同等の価格で提供可能になる。また、2035年の100%EV化目標は現実的ではないとし、少なくとも10%の柔軟性が必要であると主張している。
中国勢の急速な攻勢に対しては、欧州への進出条件として、サプライヤーやR&Dを含めた現地化を義務付けるべきだとし、欧州メーカー間での技術やバッテリー規格の共有といった協調にも前向きな姿勢を示している。なお、日産との協力関係は2023年の新契約以降、極めて良好に機能している。
主力EVである「ルノー5(R5)」は、2024年の発売以降、今年の累計生産台数が20万台を超える見込みであり、欧州市場を牽引している。徹底したコスト削減により、同モデルは高い利益率を確保している。 一方、フランスのバッテリーサプライヤー「Verkor」の生産立ち遅れに対しては、契約維持などの支援を続ける意向だが、市場価格より30%高いバッテリーを受け入れることはできないと言及。同社への中国企業の資本参入を含む、あらゆる解決策を支持する方針を掲げている。
2. 仏シュナイダー、高業績の裏で国内工場閉鎖の可能性、組合は生産基盤の弱体化を警戒
シュナイダーエレクトリックはAI需要で記録的業績を達成し国内投資を進めるが、その恩恵は全拠点に及ばない。一部工場で稼働率が低下し閉鎖の選択肢が浮上しており、組合は国内生産基盤の弱体化へ危機感を募らせる。
Schneider ElectricはAI需要による電気機器の売上増で2025年に売上高400億ユーロ、利益40億ユーロという記録的な業績を達成し、フランス国内への投資も進めている。しかし、その恩恵はすべての国内拠点に行き渡っていない。
中央社会経済委員会において、経営陣はフランス国内の工場のさらなる閉鎖の可能性を否定しなかった。特にヴィエンヌ県のシャスヌイユ・デュ・ポワトゥー工場は、受託契約の喪失や他工場への業務集約により稼働率が半分に低下しており、閉鎖が「選択肢」として浮上している。140人の従業員を抱える同工場の先行きについて、2026年の年末までに最終決定が下される見通しである。
組合側は、国内にある22の生産・物流拠点のうち、ほかにも閉鎖や規模縮小の危機にあるサイトが存在すると危機感を募らせている。同社は2020年以降、すでにプリヴァ工場(112人の削減が進行中)など複数の国内工場を閉鎖してきた。経営陣は過去5年間で国内の産業基盤に「5億ユーロ」を投資し、国内従業員数15,000人(うち工場勤務6,500人)を維持していると主張するが、組合側は投資が国外に集中し、国内の生産やR&D(研究開発)の基盤が持続的に弱体化するリスクを強く警戒している。