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日刊フランス欧州経済 2026年6月4日 (フリー)

日刊フランス欧州経済 2026年6月4日 (フリー)
仏量子企業Quoblyが1億1500万ユーロの資金調達を完了、既存のシリコン半導体製造ラインを活用し、低コストで迅速な産業化を目指す

1.        仏量子スタートアップのQuobly、同セクター最大規模の資金調達を完了

2.        仏オキシタニー地域圏の浮体式洋上風力、実証から商業化へ移行

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1.        仏量子スタートアップのQuobly、同セクター最大規模の資金調達を完了

仏量子企業Quoblyが1億1500万ユーロの資金調達を完了。既存のシリコン半導体製造ラインを活用し、低コストで迅速な産業化を目指す。2026年末までに最初のクラウド計算サービスを開始する計画である。
 
フランスの量子コンピューター企業Quoblyの要点は以下の通りである。
·       概要と資金調達 量子コンピューター開発を手掛けるスタートアップ企業「Quobly」が、シリーズAラウンドとして同セクター最大規模となる1億1500万ユーロの資金調達を完了した。共同創業者兼CEOのMaud Vinetが率いる同社には、既存投資家のほか、STMicroelectronicsBpifranceSEALSQが新たに出資に加わった。
·       技術的特徴と強み 同社の最大の特徴は、従来の半導体産業の中核素材であるシリコンを利用して量子ビット(qubit)を開発する点にある。これまでの研究で、半導体の産業プロセスにおいてシリコン上で量子ビットを開発し、システムへ統合できることが実証されている。すでにグルノーブルに拠点を置くSTMicroelectronicsと共同開発を進めており、パイロット製造ラインも確保している。既存の半導体産業の設備や投資を活用することで、コストを抑えつつ迅速な産業化(スケールアップ)を目指している。
·       今後の計画と展望 調達した資金により、研究開発の継続と産業化を加速させ、現在約100名の従業員を今後2年3倍に増員する計画である。フランス国防装備庁のプログラム「Proqcima」にも採択され、すでに1000万ユーロの初期収益を得ている。ロードマップとして、2026年末までに最初の量子プロセッサによるクラウド計算サービスを開始し、2027年からは高性能計算(HPC)インフラ等への実機の導入を進め、2032年までにプロトタイプの提供を目指している。


2.        仏オキシタニー地域圏の浮体式洋上風力、実証から商業化へ移行
 
仏オキシタニー地域圏の浮体式洋上風力発電が、実証から商業化の段階へ移行している。仏政府の2050年目標に向け、あと3年で欧州内サプライチェーンの構築や港湾インフラ整備、生産体制の整備が進められている。
 
オキシタニー地域圏における浮体式洋上風力発電は、約10年前の取り組み開始を経て、現在2つの実証風力発電パーク(EFGLEolMed)に計6基の試験的風力発電機が設置され、各30MWの発電を目指す段階に達している。
次のステップは商業化への規模拡大である。2024年末に割当てられた商業パークは、Ocean WindsEDF Renouvelablesらによって開発され、2031〜2032年の稼働を予定している。さらに政府は2026年末2027年初頭に選定予定の入札を開始した。フランスは多年度エネルギー計画(PPE3)で、洋上風力発電の目標を2037年18GW2040年26GW2050年に少なくとも45GWと定め、その半分を地中海のような深海向けの浮体式とする方針である。
商業パークの着工は2029〜2030年を予定しており、産業本格化に向けた組織化の猶予はあと3年である。地域圏は、232社、フルタイム換算466人の雇用を擁するWind’Occを通じて産業基盤の構築を推進している。2025年の地域内投資額は国全体の10%にあたる2億5800万ユーロに達した。今後はサプライチェーンや接続、人材育成などの課題を克服し、アジア依存を避け欧州・仏国内の調達率を高めることが求められる。製造や部品供給を行う各企業も、工場新設や生産体制の整備を進めている。
港湾のインフラ整備も不可欠であり、ポルト=ラ=ヌーヴェル港は大型投資により組立・建設用敷地やターミナルを整備し、同時に2つのプロジェクトに対応可能にする。地中海沿岸の各港で製造、組立、維持管理などの役割を分担し、2026年9月には仏・西・伊の港湾ネットワークも創設される予定である。