4 min read

日刊フランス欧州経済 2026年6月24日 (フリー)

日刊フランス欧州経済 2026年6月24日 (フリー)
Photo by Stefan K / Unsplash

1.        猛暑で仏原発が一部停止・出力抑制、環境保護目的も国内の電力供給は安定

2.        日産株主総会、ルノーらの反対で永井取締役の再任否決 新会長には小路氏が就任

3.        猛暑で蓄氷追いつかず 仏パリ近郊ビジネス街の超高層ビルで冷房停止の見通し

4.        量子技術の覇権争い、特許戦略が鍵に 市場確保へ「実施の自由」の重要性高まる

5.        仏EMME社、EV向けニッケル精錬所を今秋着工 独企業提携で資金・販路確保

6.        英自動車産業、EU離脱で激変 日産は中国企業と提携模索も新たな関税リスク

7.        デジタルユーロ法案可決、29年導入へ 米国系に対抗し欧州の決済主権確立目指す

8.        米のAI制限を受け欧州企業が多様化へ舵、中国製等の導入でリスクとコストを分散

9.        欧州EVシェア20%に急拡大、中国勢も躍進 依然として首位はHV

10.  中国自動車輸出が急加速、26年最大1200万台予測 国内減速で海外シフト

11.  欧州委、中国製PHEVへの追加関税を検討 産業保護も効果に不透明感


1.        猛暑で仏原発が一部停止・出力抑制、環境保護目的も国内の電力供給は安定

猛暑による河川の水温上昇を受け、フランス電力は生態系保護のため複数の原発で稼働停止や出力抑制を実施した。総容量の4.6%に相当するが、十分な供給力があり電力供給は安定している。
 
猛暑に伴う河川の水温上昇を受け、EDF(フランス電力)は複数の原子力発電所で稼働停止や出力抑制を実施している。6月22日夜にはゴルフェッシュ発電所第2原子炉1,300MW)を停止し、6月23日からはノジャン=シュール=セーヌ発電所第2原子炉の出力を1,300MWから400MWへ、6月24日からはビュジェ発電所第3原子炉の出力を900MWから180MWへと削減する。これらは全57基の総容量の4.6%に相当する。
この措置は河川の生態系保護を目的とした環境制約に基づくものであり、水温が28℃を超えた場合の規定に準拠している。EDFは安全リスクによるものではないと説明している。今後もブライエサン=アルバンの発電所へ影響が広がる可能性があるが、2000年以降の猛暑による損失は年間発電量の0.3%にとどまる。電力逼迫時の特例措置もあるが、現時点で申請はない。
送電網を管理するRTEは、フランスには国内の電力需要を賄う十分な供給力があるとしている。エアコン利用等により気温が1℃上昇するごとに需要は0.7〜1GW増加するが、これは冬季の変動の3分の1である。6月23日14時頃には消費ピークが57GWに達したが、その電力の55%を原子力31%を太陽光発電で補い、安定して供給している。


2.        日産株主総会、ルノーらの反対で永井取締役の再任否決 新会長には小路氏が就任

日産の株主総会で、ルノーや投資家らがみずほ銀行出身の取締役・永井氏の再任に反対し否決した。銀行との関係が深く独立性に疑問を持たれたためである。他候補は承認され、新会長に小路氏が就任する。
 
2026年6月23日に開催された日産自動車株主総会において、フランスの自動車メーカーであるルノーは、日産で最も影響力のある取締役の1人である永井素夫氏の再任に反対し、これを阻止した。
日産の議決権の15%を保有するルノーは、これまで契約上の理由から同社の戦略的選択への関与を控えていた。しかし今回は、最高経営責任者(CEO)のイワン・エスピノーサ氏ら日産執行部が提案した72歳永井氏の取締役再任を支持しなかった。
ルノーが再任に反対した理由は、永井氏の独立性に対する疑問である。同氏は日産の筆頭債権者であるみずほ銀行の出身であり、同銀行との関係が深すぎると判断された。永井氏は、みずほ銀行の意向を受けて2024年末ホンダとの経営統合を強く主張していた。この統合案は両社の経営陣によって一度は断念されたものの、銀行側は依然としてこの選択肢を押し進めようとしていた。
永井氏の独立性に対する懸念はルノーだけでなく、複数の大手投資家や、議決権行使助言会社であるグラス・ルイスおよびISSの間でも共有されていた。これらの株主が投票を棄権・反対したことにより、同氏の再任は否決された。
日産執行部はこの結果についてコメントしていないが、他の取締役候補はすべて承認された。新たに3名の取締役が就任し、取締役会は刷新される。新たな取締役会会長には、2021年までアサヒグループCEOを務め、海外買収を主導した小路明善氏が就任する。