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日刊フランス欧州経済 2026年5月28日 (フリー)

日刊フランス欧州経済 2026年5月28日 (フリー)
フランスの海運会社CMA CGMは、24,000個以上のコンテナを積載でき、アジア・ヨーロッパ間の航路に投入される予定の、フランス最大のコンテナ船「ノートルダム」

1.        仏伊の原子力新興企業Newcleo、ナスダック上場へ

2.        欧州発Mistral AI、アジア展開を加速 年内に日本や豪州でも計画

3.        ミストラルが「フィジカルAI」加速表明 エアバスなど大手と連携

4.        XXL仏最大のコンテナ船「ノートルダム」が就航 アジア・欧州航路に投入

5.        フランスの大手エネルギー企業、風車大型化による既存拠点の再生が本格化

6.        欧州鶏肉最大手LDC、目標を前倒し達成 需要拡大やM&Aが牽引

7.        アルミ価格高騰を受け、仏業界がデポジット制度導入を要望

8.        拡大する蚊駆除市場、仏スタートアップが1千万ユーロ調達へ

9.        独核融合新興、過去最大規模の資金調達 旧原発跡地に発電所建設へ

10.  米スターリンクの独占を警戒、欧州が衛星通信の3分の2を域内企業に割り当てへ

11.  意見投稿、仏量子政策の成果と限界 欧州連携の必要性浮き彫りに

12.  欧州委副委員長、対中貿易防衛の強化を提唱、EU足並みの乱れを指摘


1.        仏伊の原子力新興企業Newcleo、ナスダック上場へ
 
原子力新興のNewcleoがSPAC合併でナスダックへ上場する。企業価値は約24億ユーロとされ、米仏などでの開発や工場建設に資金を充てる。米企業と提携して米国シフトを進める一方、欧州の事業も維持する。
 
フランスとイタリアの原子力スタートアップ企業Newcleoは、SPAC(特別買収目的会社)との合併を通じてナスダック市場へ上場する。この取引における同社の企業価値は、上場前で約24億ユーロと評価されており、欧州の革新的な原子炉開発企業としては異例の規模である。
同社はSPACNewHold Investment Corp IIIが調達済みの2億900万ドルを獲得するほか、主に北米の投資家からさらに2億2,000万ドルを追加で調達する。これにより、2021年からの累積調達額は10億ドルに達する。資金は米国フランススロバキアでの認可手続きや、イタリアでの試験炉の完成、米国での燃料工場の建設に充てられる。
Newcleoは、サム・アルトマン氏が支援する米国のOkloと提携し、米国20億ドル規模のMOX燃料工場の建設を計画している。米国政府が使用済み核燃料の利用を認めたことで、同社の米国シフトが加速しているが、900人の従業員を抱える同社はパリの本社を維持し、欧州での事業も継続する。
フランスでは、ノジャン=シュール=セーヌでのMOX工場建設に向けて安全オプション書類を提出している。同社はフランス政府による「フランス2030」計画からの追加公的支援を期待している。一部で不採択の噂や実現性を疑問視する声もあるが、政府の投資総局長であるブリュノ・ボネル氏は決定が未定であることを強調している。


2.        欧州発Mistral AI、アジア展開を加速 年内に日本や豪州でも計画

Mistral AIは初のサミットで、BMW等の産業界や金融分野との戦略的契約、インフラ開発への大規模投資計画を発表した。設立3年で急成長を遂げ、データ保護の強みを活かしてアジアを含む世界展開を加速させている。
 
フランスのAIスタートアップ企業Mistral AIは、第1回「Mistral AI Summit」を開催し、産業界との戦略的契約やインフラ開発の加速を発表した。
設立から3年、従業員数1000人の同社は研究ラボから本格的なAI企業へと脱皮している。データ保護や主権の強みを活かし、現在120億ユーロと評価される同社は、今年末までに10億の収益を目指す。同社はEDF(フランス電力)、AirbusBMWとの新協定を発表した。BMWにはクラッシュシミュレーション用の推論モデルを、Airbusには5年契約で設計プロセス改善ツールを、EDFには原子力発電所運用の最適化モデルを提供する。さらに、オーストリアのEmmi AIを買収し、エンジニアリングやデジタルツインの分野を強化した。産業界以外でも、BNPパリバとの契約など金融や法務分野に浸透している。顧客企業への展開を加速するため、同社は300人のエンジニアを派遣しているが、需要に追いつかないため、AccentureCapgeminiなどのシステムインテグレーターと提携している。
インフラ面では、「Compute」サービスの開始から1年が経ち、フランスのブリュイエール=ル=シャテルやスウェーデンなどのキャンパスプロジェクトに40億ユーロを投資する計画である。エソンヌ県での10MWのサイト開設に続き、2027年末までに200MW2030年には1GWの計算容量の確保を目指す。米巨大IT企業が2026年にインフラへ6300億ドルを投資するのに対し、同社は需要の予測可能性を重視する。なお、欧州のメガデータセンター(AIギガファクトリー)の入札に向けた共同事業体には参加していない。
同社は収益の40%を欧州で上げているが、アジア市場にも進出し、年末までにシンガポールで100人以上を擁するほか、日本やオーストラリアでの加速も計画している。また、個人・企業向けアシスタント「Le Chat」を刷新し、「Vibe」の旗印のもと、コード生成ツールやタスクを自動化するワークエージェントを提供していく。