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フランス欧州ビジネスニュース2026年4月8日(フリー)

フランス欧州ビジネスニュース2026年4月8日(フリー)
Photo by Ben Wicks / Unsplash

1.        ホルムズ海峡に回復の兆し、欧州の大手コンテナ船が初通過

2.        フランス送電網の安定化へ、再エネの段階的制御を義務付け

3.        品質向上とEV戦略が奏功 シトロエン、世界販売台数10%増の勢い

4.        仏研究開発税制の縮小により仏企業はR&D投資を大幅に削減

5.        SCAF共同開発が事実上の停滞、仏独企業の対立深刻化

6.        ECB専務理事、脱炭素による物価安定の重要性を強調

7.        中東情勢悪化が招く燃料高騰 航空各社に供給不足のリスク

8.        欧州委の産業保護策に自動車業界が反発、生産体制の整備に壁


1.        ホルムズ海峡に回復の兆し、欧州の大手コンテナ船が初通過

ホルムズ海峡で欧州主要船「Kribi」が紛争後初通過し、海上交通回復の兆しが見えた。依然としてUAEの120隻を含む数百隻が足止め状態だが、特定航路での通航再開は正常化に向けた限定的かつ重要な一歩である。
 
2026年4月3日、イランの脅威により停滞していたホルムズ海峡の海上交通に回復の兆しが見え始めた。フランスの大手海運会社CMA CGMが運航するコンテナ船「Kribi」が、同海峡を通過してペルシャ湾を出たことが確認された。これは、紛争開始以来、欧州の主要海運グループの船舶としては初の通過例とみられる。
Kribi」はマルタ船旗を掲げ、イランが指定したララク島北方の航路を走行した。イラン側は「非敵対的」な商船に対し、事前の許可と独自の規則遵守を条件に通行を認める方針を示しており、一部の船舶には高額な通行料、いわゆる「テヘランの通行税」が課されている。CMA CGM側は詳細を控えているが、同社は以前、14隻の船舶が湾内に足止めされていると公表していた。
一方で、オマーン沿岸に近い南側のルートでも動きがある。オマーン所有の大型石油タンカー2隻(「Dhalkut」および「Habrut」)と、LNG船「Sohar1隻が金曜日に同海峡を通過した。これらはイランが指定した北側航路とは異なる経路を辿っており、イランとオマーンの間で進行中の交通監視プロトコルに関する合意が背景にあると推測される。
依然として、アラブ首長国連邦の約120隻を筆頭に、ギリシャの75隻、中国の74隻など、数百隻の船舶が保険料の高騰や安全上のリスクから足止めされている。しかし、今回の欧州船や大型タンカーの通航は、海上交通の正常化に向けた限定的ながらも重要な一歩である。


2.        フランス送電網の安定化へ、再エネの段階的制御を義務付け

再エネの急増で電力価格が負になる際、一斉再稼働による送電網への負荷が課題である。RTEは4月5日に発生した3,500MWもの急激な出力変動を防ぐため、段階的な停止・再稼働を義務付ける新制度を導入する。
 
フランスの送電網管理組織RTEは、再生可能エネルギーの急増に伴う電力網の安定化を目的とし、負の価格(マイナス価格)発生時における風力および太陽光発電の停止・再稼働を厳格に管理する省令案を推進している。
現在、市場価格が0ユーロを下回ると、国の補助金を受ける発電事業者は損失回避のために一斉に発電を停止するが、その後の再稼働が同時かつ急激に行われることで、送電網に深刻な負荷がかかるリスクが生じている。例えば、4月5日には、わずか数分間で原子力発電所3基分に相当する約3,500メガワットの風力発電が突如接続され、システムを不安定化させた。
新制度では、出力10メガワット以上の補助金対象パークを2つのグループに分割する。第1グループは価格が負になる5分前に停止し、第2グループは5分後に停止するという、段階的なスケジュールを義務付ける。これに従わない場合、事業者は補填金を受け取ることができない。
しかし、業界団体からは、5月1日からの運用開始という過密なスケジュールに対し、技術的・契約的な対応が間に合わないとの批判が出ている。また、本来の市場原理を歪める「拙速な対応」であるとの懸念も強い。規制当局であるCREも、既存設備での検証を優先すべきだと慎重な姿勢を示していたが、RTEはネットワークの安全性を確保するために早期導入が必要であるとの立場を崩していない。