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フランス欧州ビジネスニュース2026年3月13日(フリー)

フランス欧州ビジネスニュース2026年3月13日(フリー)
フランスの自然派化粧品大手Aroma-Zone(アロマ・ゾン)は、爆発的な成長に伴う生産体制の強化に直面している

1.        仏バイオガス計画に「野心」欠如、2030年44TWh目標も視界不良

2.        仏化粧品ブランド2位のAroma-Zone、26年にも身売りか、筆頭株主が検討

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7.        「宇宙の主権」欧州に危機感、外部依存が招く安全保障の空白

8.        「欧州優先」政策にセメント業界が苦言、低炭素目標5%は「実態乖離」


1.        仏バイオガス計画に「野心」欠如、2030年44TWh目標も視界不良

フランスのPPE3は2030年にバイオメタン注入量44TWhを目指すが、長期指針や新技術への支援を欠く。ガス価格が56%急騰する中、脱炭素化には電気偏重を避けバイオガスの柔軟性を生かす道筋が不可欠である。

フランス政府が発表した第3次エネルギー多年度計画(PPE3)は、バイオガス業界にとって短期的な指針となるが、長期的な展望や野心には欠けている。イラン紛争やカタールによるLNG供給停止の影響で天然ガス価格が56%(49ユーロ/MWh)急騰する中、業界は以下の課題に直面している。
1. 導入目標と市場メカニズム
PPE3
は、2030年までにバイオメタンの注入量を44テラワット時(TWh)に引き上げる目標を掲げている(2026年の17TWhから大幅増)。政府は従来の買い取り価格制度から、バイオガス生産証明書CPB)を活用した市場メカニズムへの移行を狙っている。しかし、現行のCPB指針は2028年までしか示されておらず、2035年までの長期的な視界がなければ、銀行融資や新規プロジェクトの立ち上げは困難である。
2. 国家低炭素戦略(SNBC)への懸念
3次国家低炭素戦略(SNBC3)に対し、業界は強い失望を示している。2050年のカーボンニュートラルに向けた計画において、バイオガスの活用範囲が限定的であるためだ。

  • バイオメタン注入量2035年の予測幅(4782TWh)の下限値は業界の停滞を意味する。
  • 新技術の軽視パワー・トゥ・メタン熱化学ガス化などの新技術がほぼ無視されている。
  • モビリティ:大型車両で実績のあるバイオGNV(天然ガス自動車)への支援が薄く、「全固体電池・電気特化」への偏重が懸念されている。

結論
バイオガスは天然ガス比で二酸化炭素排出量を5分の1に抑制できる成熟した技術である。脱炭素化の実現には、電気一辺倒ではなく、エネルギーミックスにおけるバイオガスの柔軟性と回復力を正当に評価する明確なロードマップが必要である。


2.        仏化粧品ブランド2位のAroma-Zone、26年にも身売りか、筆頭株主が検討

アロマ・ゾンは2025年に売上高成長率+52%を記録し、生産体制を3交代制へ移行するなど急拡大中である。しかし、2026年下半期に株主が売却する可能性という、資本構成の変化という重要な示唆が浮上している。
 
フランスの自然派化粧品大手Aroma-Zone(アロマ・ゾン)は、爆発的な成長に伴う生産体制の強化に直面している。同社の売上高成長率は2024年に+56%、2025年には+52%を記録した。フランス人に最も愛されるブランドの第2位として、急増する需要への対応が喫緊の課題である。
この状況を受け、同社は産業基盤の再構築を急いでいる。ヴォクリューズ県の主力工場では、勤務体制を従来の2交代制から深夜勤務を含む3交代制へ移行し、生産能力を約30%向上させた。従業員数もこの12ヶ月400人増員し、総勢1,000人規模に拡大している。
設備投資も加速しており、2027年には既存の300キロ1.5トンのタンクに加え、新たに3トンの大容量タンクを導入予定である。また、自社生産(全体の30%)を補完するため、Fareva社などの外部パートナーとの連携も強化している。物流面では、1日最大2万5,000個の発送を処理するため、自律型ロボットの導入による自動化を検討中である。
一方で、筆頭株主である投資ファンドEurazeo(イデアルゼオ)による売却の可能性が浮上している。同ファンドは2021年4億1,400万ユーロを投じて同社を買収したが、ファンド全体の収支悪化や資産売却の加速を背景に、2026年下半期にも売却に踏み切るとの予測が出ている。急成長を遂げる同社の今後の行方は、新たな資本提携の成否にかかっている。