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フランス欧州ビジネスニュース2026年3月11日(フリー)

フランス欧州ビジネスニュース2026年3月11日(フリー)
ダッソー・アビエーション社、2026年3月10日、ボルドー・メリニャック工場にて新型ビジネスジェット「ファルコン10X」を初公開

1.        仏Dassault、最高級のビジネスジェット機「ファルコン10X」を発表

2.        仏EDFが「Finabe」設立、原子力輸出の資金調達を3分の1に短縮へ

3.        仏原子力スタートアップ選別鮮明に、Calogenaら2028年の設計完了へ

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1.        仏Dassault、最高級のビジネスジェット機「ファルコン10X」を発表

ダッソー社は新型機「ファルコン10X」を初公開した。最大13,900kmの航続距離と市場最大の室内空間を武器に、今後10年で3,000機規模の需要が見込まれる超長距離市場で3分の1のシェア奪取を狙う
 
ダッソー・アビエーション社は2026年3月10日、ボルドー・メリニャック工場にて新型ビジネスジェット「ファルコン10X」を初公開(ロールアウト)した。8年の歳月をかけて開発された同機は、2027年の就役を予定している。
本機は超長距離ビジネスジェット市場で首位を争うガルフストリームやボンバルディアに対抗すべく、同社史上最大かつ最も現代的な設計がなされている。全長33.4メートル、全幅33.6メートルに及び、旅客機に近いサイズを誇る。販売価格は2021年の発表時点で7,500万ドルであった。
最大の特徴は、市場で最も広い「エキストラ・ラージ」キャビンである。幅2.77メートル、高さ2.03メートルの空間には、ダブルベッドやシャワー、8人用のダイニングを設置可能である。性能面では、航続距離13,900kmを誇り、ニューヨークから上海までを直行で結ぶ。最高速度はマッハ0.925(時速約983km)に達する。
技術面では戦闘機「ラファール」の知見が注ぎ込まれている。ビジネスジェットとして初めて主翼にカーボンファイバーを採用したほか、戦闘機同様のシングル・スロットル・レバーや、緊急時に機体を安定させるセーフガード・ボタンを搭載する。
2025年のビジネスジェット市場は前年比12%増と堅調であり、今後10年間2,0003,000機の需要が見込まれる超長距離市場において、ダッソーは3分の1のシェア獲得を目指す。


2.        仏EDFが「Finabe」設立、原子力輸出の資金調達を3分の1に短縮へ

EDFは国際諮問委員会「Finabe」を設立し、官民の金融機関と連携して原子力輸出を加速させる。建設期間の短縮が重要な示唆であり、従来9年を要した資金調達期間を3分の1に短縮し、1基100億ユーロの巨額コストに対応する狙いだ。
 
フランス電力(EDF)は、自社の負債を増やすことなく原子力技術の輸出を促進するため、国際諮問委員会「Finabe(Financing and Investing in Nuclear - Advisory Board EDF)」を設立した。2026年3月10日の原子力エネルギーサミットに合わせて発表されたこの構想には、BNPパリバABNアムロクレジット・アグリコールCIBなどの商業銀行に加え、Bpifranceやカナダの寄託譲渡局(CDPQ)といった公的金融機関が参画している。
この背景には、エマニュエル・マクロン大統領が求める原子力産業への官民投資の呼びかけがある。かつて欧州では原子力への資金調達を制限する動きがあったが、現在はその方針が転換されている。EDFは、過去に英国のサイズウェルCプロジェクトの資金調達に9年を要した経験から、新組織を通じてその期間を2分の1から3分の1に短縮することを目指している。
現在、欧州全体で約30基の原子炉建設が見込まれており、基あたりのコストは約100億ユーロに達する。Finabeは、大型炉のEPRや中型炉のNuward、さらにグループ子会社の機器供給などに対し、資本と負債の両面から最適な財務構造を提案する役割を担う。
具体的なプロジェクトとして、オランダでの新設計画が浮上している。オランダ政府は2035年までに2基の大型炉を導入する方針だが、既存のボルセレ原子力発電所はEDF1,650メガワットEPR2基設置するには手狭であるとの見方もある。ライバルの米ウェスチングハウスなども競合する中、EDF2027年の入札に向けて準備を進めている。