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フランス欧州ビジネスニュース2026年2月4日(フリー)

フランス欧州ビジネスニュース2026年2月4日(フリー)
エネルギー効率化を専門とするフランスのスタートアップ、Deepki(ディープキ)は2025年末時点で、年間経常収益(ARR)が約6,500万ユーロに達した

1.        Dassault SystèmesとNVIDIA、AIとデジタルツイン分野で新たなパートナーシップを開始

2.        スタートアップ企業Deepki、米国で成長を加速し、フランスでの地位を強化

3.        AIモデルの応答の信頼性を向上させるスタートアップ「Linkup」

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1.        Dassault SystèmesとNVIDIA、AIとデジタルツイン分野で新たなパートナーシップを開始

フランスのテック企業ダッソー・システムズは、米国ヒューストンで開催されたイベント「3DExperience World」にて、Nvidiaとの長期的なパートナーシップを発表した。両社は25年にわたる協力関係にあるが、今回は「フィジカルIA(物理的AI)」の波に備えるべく連携を強化する。
提携の主な目的は、ダッソー・システムズが持つデジタルツインの知見と、Nvidiaの事前学習済みモデルおよびGPUを組み合わせることである。これにより、物理世界の複雑な規則を理解する産業用基盤モデルや、生産プロセスを自動化するAIエージェントの構築を目指す。
具体的な取り組みは以下の通りである。
·       ダッソー・システムズは、自社クラウド「Outscale」のデータセンターにNvidiaの最新チップを導入する。同社はインフラに毎年約1億ユーロを投資しており、顧客の知的財産を保護しつつ、独自のデータでモデルを訓練する。
·       Nvidiaは、次世代データセンター「AIファクトリー」の設計・シミュレーションに、ダッソー・システムズデジタルツイン技術を採用する。
·       両社はヘルスケア(創薬)、材料科学、化学、自動車製造などの分野で協力し、開発期間の短縮や生産の最適化を図る。
ダッソー・システムズは過去40年にわたり蓄積した膨大な産業データを強みとしており、ハルシネーション(もっともらしい嘘)のない、信頼性と再現性のあるAIの提供を強調している。両社は計算インフラとアプリケーション層で互いのソリューションを補完し合い、製造業の完全自律化を推進する方針である。


2.        スタートアップ企業Deepki、米国で成長を加速し、フランスでの地位を強化
 
エネルギー効率化を専門とするフランスのスタートアップ、Deepki(ディープキ)は、不動産資産の省エネ性能を管理するソフトウェアを展開し、業界で突出した存在感を放っている。同社は2025年末時点で、年間経常収益(ARR)が約6,500万ユーロに達した。利用者数は7万人を超え、顧客数はフランス政府や金融大手を含む約600社を数える。
収益成長率は約20%と、前年より鈍化したものの堅調である。特に、収益の18%を占める北米市場が成長を牽引している。米国では「サステナビリティ」よりも「経済効率」を重視する傾向が強く、不動産業界の動向が活発である。一方、フランス国内は不動産危機や地政学的リスクにより停滞気味だが、依然として省エネ分野の「実験場」としての役割を担っている。
業界では市場の成熟に伴う集約化(コンソリデーション)が進んでおり、Deepkiも積極的な買収戦略をとっている。2022年の英国企業Fabriq、翌年のNoocoに続き、今回新たにラ・ポステ不動産傘下のSobre Energieを買収した。この買収は自己資金によるキャッシュで実施された。
Deepki2022年に約1億5,000万ユーロの資金調達を実施済みだが、さらなる成長を見据え、2027年頃に新たな資金調達を検討している。欧州市場でのシェアはまだ5%程度であり、拡大の余地は大きい。2024年9月には単月黒字を達成しており、2026年中のEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)の黒字化を目指している。