フランス欧州ビジネスニュース2026年2月3日(フリー)
1. バイオ廃棄物から化粧品へ:仏Dionymer、石油代替品のために700万ユーロを調達
2. 太陽光パネル:リサイクルが重要な課題となる理由
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1. バイオ廃棄物から化粧品へ:仏Dionymer、石油代替品のために700万ユーロを調達
ボルドーを拠点とするディープテック企業、Dionymerは、2026年2月2日、700万ユーロの資金調達を実施したと発表した。同社は、2020年の設立以来、3回目の資金調達を経て、研究開発段階から本格的な商業化フェーズへと移行する。
同社の核となる技術は、集団給食などのバイオ廃棄物を原料とし、微生物を利用してPHA(ポリヒドロキシアルカン酸)と呼ばれる100%バイオベースかつ生分解性のポリマーを製造することである。現在、世界のポリマー市場は年間4億トンに達するが、その99%は石油由来であり、微細プラスチック汚染の原因となっている。Dionymerの製品は、これら石油由来原料の代替として、化粧品や包装材、塗料、繊維など幅広い分野での活用が期待されている。
今後の計画として、同社は2027年に年間生産能力100トン規模の産業用デモンストレーターを稼働させ、2030年には年間1,000トンから2,000トンを生産する本格的な工場の設立を目指す。特に、低容量ながら付加価値の高い化粧品市場を優先的なターゲットとしている。
他社がトウモロコシや砂糖などの食用農産物を原料とする中、同社はバイオ廃棄物を使用することで食料供給と競合しない独自の循環型モデルを構築している。ポリマー1トンの生産には30トンの未処理廃棄物が必要となるため、将来の増産に向けた廃棄物収集パートナーシップの確保が今後の鍵となる。
2. 太陽光パネル:リサイクルが重要な課題となる理由
フランスにおける太陽光パネルのリサイクルに関する現状と課題について、以下の通り要約する。
フランスでは太陽光パネルの設置数が急増しており、2025年には40万トン(約2,000万枚)が設置された。しかし、同年のリサイクル実績は約1万3,000トンに留まり、循環型経済の構築は初期段階にある。パネルの平均寿命は20年で、その85%から95%が再利用可能である。
エネルギー生産第5位のオクトパス・エネルギーは、オルレアンの拠点に回収専用スペースを設置した。同社はエコ組織Sorenの認定収集センターを目指している。リサイクルの主な障壁は「回収」にあり、現在は全国450カ所の回収拠点を、将来的に1,200カ所まで増やし、持ち込み距離を最大50キロメートル以内に短縮する計画である。
リサイクルには、銀、銅、シリコン、アルミニウムなどの希少金属を回収し、資源の主権を確保する狙いがある。現在、フランスに設置されるパネルの95%が中国製であり、リサイクルや修理による中古市場の形成は、アジアへの過度な依存を脱却する手段となる。
一方で課題も残る。フランス国内の製造業者は、中国製パネルに含まれるアンチモンやフッ素といった汚染物質の処理に懸念を示している。また、現在国内に4拠点(トゥールーズ、ボルドー、リール、グルノーブル)あるリサイクル工場の処理能力も不足しており、太陽光発電の80%が集中する南部を中心に、新施設の建設が急務となっている。