フランス欧州ビジネスニュース2026年2月27日(フリー)
1. Mistral とAccenture、ビジネスにおけるAI導入で提携
2. CAC40巨大企業の利益、2025年にほぼ3分の1に減少する
3. UK Power Networksの買収がEngieにとって戦略的である理由
4. 仏政府、将来の技術リーダーに資金を提供する「Tibi 3」に取り組んでいる
5. 風力発電:イベルドローラ、フランスから撤退、風力発電所を仏企業に売却
6. Thales、Safran と CNES、宇宙光通信の革命を推進
7. ガス会社エア・リキード、電子機器分野への進出を継続
8. ロールス・ロイスの業績回復と小型機市場への再参入
9. 意見広告「脱炭素化は産業の存続と欧州の戦略的自立の条件である。」
10. 自動車:欧州では、電動化が生産システムの大混乱を引き起こしている
1. Mistral とAccenture、ビジネスにおけるAI導入で提携
アクセンチュアとMistral AIは提携し、欧州の戦略的自律性や規制対応を強みにAI導入を加速させる。価値120億ユーロ、従業員80万人の規模を活かし、複数モデルを併用する企業の課題解決を狙う。
米国のコンサルティング大手アクセンチュアと、フランスのAIスタートアップであるMistral AIは、数年間にわたる戦略的提携を発表した。この合意により、両社は企業クライアントに対し、安全かつ大規模なAIソリューションの導入を支援する。また、アクセンチュア自身もMistral AIの顧客となり、同社の「Mistral AI Studio」などを活用する。
提携の背景には、欧州を中心とした「戦略的自律性」への強い需要がある。特に、データ・ガバナンスやコンプライアンスが重視される規制の厳しい業界において、欧州産のAIモデルを求める声が高まっている。Mistral AIは、オープンソースに根ざした技術的差別化や、モデルの効率性、高度なカスタマイズ性を強みとしており、すでにHSBCやASML、SAPといった大企業を顧客に抱えている。
世界50カ国以上に約80万人の従業員を擁するアクセンチュアとの提携は、Mistral AIにとって世界市場への重要な足がかりとなる。現在、Mistral AIの企業価値は120億ユーロ(約2兆円)と評価され、年間経常収益(ARR)は4億ユーロ(約650億円)に達している。収益の20%は米国市場によるものだが、今回の提携により欧州およびグローバルでの成長をさらに加速させる狙いである。
企業におけるAI導入は、コストや技術的な複雑さ、専門人材の不足といった課題に直面している。現在、多くの組織は特定のモデルに依存せず、用途や規制環境に応じて複数のモデルを使い分けるハイブリッドなアプローチを採用しており、本提携はそのニーズに応えるものである。
2. CAC40巨大企業の利益、2025年にほぼ3分の1に減少する
2025年通期決算は、ルノーやステランティスの巨額減損により純利益が前年比30%減の930億ユーロへ急落した。一方で売上高や配当金は4%増と堅調であり、銀行業の好調が製造業の不振を補う二極化を示唆している。
CAC 40構成企業の2025年通期決算は、純利益の合計が約930億ユーロとなり、前年の1,320億ユーロから30%減少した。これはパンデミックの影響を受けた2020年以来の低水準である。一方、売上高は1兆6,600億ユーロと前年並みを維持している。
利益急落の主因は自動車セクターの不振である。ルノーは日産自動車の株式評価方法の変更により93億ユーロの減損を計上し、赤字に転落した。また、ステランティスは電気自動車戦略の変更等に伴う特別損失が250億ユーロを超え、業績を大きく押し下げた。これら2社を除外すれば、指数の純利益は1,260億ユーロと実質的に横ばいである。高級ブランドも苦戦し、Kering(ケリング)が店舗閉鎖コストで赤字となったほか、LVMHやエルメスも減益となった。
対照的に、銀行セクターは好調である。BNPパリバはコスト削減により120億ユーロ超の利益を上げ、トタルエナジーズを抜いて首位に立った。アクサ(AXA)も純利益が24%増の98億ユーロ、ソシエテ・ジェネラルは43%増の60億ユーロと大幅な増益を記録した。
米国による関税引き上げやユーロ高という逆風があったものの、エアバスやアイ・リキードなどは堅調な結果を残した。多くの企業が価格決定力を駆使して利益率を維持しており、全体として配当金も約4%増加している。