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フランス欧州ビジネスニュース2026年2月26日(フリー)

フランス欧州ビジネスニュース2026年2月26日(フリー)
Skynopyはケニアと初の宇宙PPPを締結し、50万ユーロの支援下で地上局共有モデルを推進

1.        ウクライナ・スタートアップのポーランド進出と背景

2.        Engie 、英国最大の電力会社を120億ユーロ以上で買収

3.        ロシアの幽霊船団:石油戦争を背景にした西側とロシアの「いたちごっこ」

4.        自動車:ステランティス、過去最悪の年を記録

5.        Schneider Electricの成長と利益率 、データセンターの爆発的な増加によって牽引

6.        再生可能エネルギー:トランプ大統領の圧力にも屈せず、イベルドローラ、急成長を続ける

7.        データセンター、産業…RTEがフランスの電力需要の回復を予測する理由

8.        ケニアでは、欧州Skynopyとの官民連携が宇宙産業に革命を起こすと期待されている


1.        ウクライナ・スタートアップのポーランド進出と背景
 
ウクライナ企業は戦時下の生き残りと欧州市場進出のハブとして、ポーランドを論理的な次の一歩に選んでいる。ドローン等55%の顧客を失う苦境でも、公的支援を活用し拠点を移転。文化の近さと市場適合が成長の鍵であり、この流入は両国経済の相互補完と強靭化を加速させる

戦時下という過酷な経済状況で生き残るため、多くのウクライナ企業にとってポーランドへの進出は「論理的な次の一歩」となっている。かつて活況を呈したウクライナのスタートアップ・エコシステムは、ロシアとの戦争開始後も拠点を移すことで維持されており、特に軍事用ドローンを製造するRadio Birdのような企業は、インフラの安定性とサプライチェーンの信頼性を求めてポーランドに生産拠点を置いている。
進出の動機は安全確保だけではない。心理療法プラットフォームのPlesoのように、ウクライナ市場の悪化に伴い計画を前倒しして進出した例もある。同国は起業家への支援が手厚く、2017年に設立された「Polish-Ukrainian Start-up Bridge(PUSB)」などの公的組織が、資金援助やメンターシップ、格安のオフィス提供を通じて支援を行っている。
また、ポーランドは単なる避難先ではなく、欧州市場への「ハブ」として機能している。検索エンジン管理を行うGetpinは、戦争で顧客の55%を失った直後、ウクライナより大きな市場を持つポーランドを貴重な転換点と捉えた。さらに、メドテック分野のKnopkaなどは、欧州のヘルスケア基準に適合するための玄関口として同国を活用している。
文化的な近さがある一方で、現地の従業員を採用し「ポーランド的な名称」を用いるなどの市場適合も不可欠である。こうしたウクライナ企業の流入は、革新的なセクターの活性化や人材の確保という面で、ポーランド経済にとっても大きな恩恵となっている。


2.        Engie 、英国最大の電力会社を120億ユーロ以上で買収

仏Engieは英UKPNを105億ポンドで買収し、英国を第2の市場とする。顧客850万人、供給量71TWhの基盤を得て、脱炭素化と収益安定化を狙う。巨額負債は懸念だが、インフラ企業への転換を加速させる一手だ。

フランスのエネルギー大手Engieエンジー)は、英国の電力配電事業者UK Power NetworksUKPN)を105億ポンド(約120億ユーロ)で買収すると発表した。これは同社史上最大の買収案件であり、これにより英国はフランスに次ぐグループ第2の市場となる。
UKPNは英国主要の配電業者で、ロンドンやイングランド東部・南東部を網羅する約19万2,000キロメートルのネットワークを保有している。顧客数は850万人、従業員数は6,500人に上り、英国市場の20%以上にあたる71TWhの電力を供給している。
Engieはこの買収を通じて、ガス価格の変動に左右されない安定した収益源を確保し、電化と脱炭素化を加速させる狙いである。取引の完了は2026年半ばを見込んでおり、資金調達は債務や40億ユーロ規模の資産売却、最大30億ユーロの増資などを組み合わせて行われる。この影響でグループの純財務負債は、2026年末時点で130億150億ユーロ増加する見通しである。
同時に発表された2025年通期決算は、売上高が前年比2.5%減の719億ユーロ、純利益はエネルギー価格の下落により同11.5%減となった。しかし、UKPNの連結により、2026年の継続純利益目標は従来の予想から上方修正されている。今回の買収は、Engieがエネルギー移行における主要なインフラ企業へと進化するための決定的な一歩である。