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フランス欧州ビジネスニュース2026年2月24日(フリー)

フランス欧州ビジネスニュース2026年2月24日(フリー)
Photo by Omkar Jadhav / Unsplash

1.        Guerlain、より環境に優しい香水のために、エンドウ豆由来の中性アルコールを新たに試験

2.        Renault、Volvo、CMA CGMの3社が「商用車のテスラ」Flexisで崩壊した理由

3.        機密データのための欧州クラウド:エアバスがアメリカの巨大企業に代わるヨーロッパの選択肢を推進する方法

4.        防衛 : 収益性の高い成長を推進する仏Exosens,

5.        米国関税:不透明なドイツ製造業

6.        メルツ首相の訪中:ドイツは中国との競争激化に直面している

7.        ドイツ産業を分断する「メイド・イン・ヨーロッパ」

8.        メルツ・メローニ、ヨーロッパの新たな原動力となることを夢見ている伊独

9.        米関税:欧州、米国との協定を停止

10.  ポーランドがいかにしてヨーロッパ農業の新たな巨人となったか

11.  フランスと欧州中央銀行ECB間の断絶

12.  「欧州は炭素割当制度を弱体化させるのではなく、強化しなければならない。それこそ欧州が産業界に提供できる最善の貢献だ。」


1.        Guerlain、より環境に優しい香水のために、エンドウ豆由来の中性アルコールを新たに試験

LVMH傘下の香水ブランド、ゲランは、環境負荷低減に向けた持続可能な開発政策を強化している。同社は、フランスのスタートアップ企業Intact(インタクト)社と提携し、豆類を原料とする革新的な中性アルコール「Pulse」を、代表的なフレグランス「ロム イデアル」の新ラインに採用した。
本プロジェクトの主要なポイントは以下の通りである。
·       劇的な排出削減: 豆類(キバナツノハギソラマメ)を原料とする「Pulse」は、従来の甜菜(ビート)や小麦由来のアルコールと比較して、温室効果ガス排出量を85%削減する。
·       革新的な製法: 空気を活用した無水抽出法を採用。大気中の窒素を土壌に固定する豆類の特性を活かし、化学肥料を不要とする有機農業を実現している。抽出残渣の繊維はプロセスの加熱燃料として再利用される。
·       戦略的拠点: 生産はオルレアン近郊の「コスメティック・バレー」にある工場で行われ、エネルギー源には再生可能エネルギー低炭素電力を使用している。
·       ゲランの目標達成: 同社は2030年までにスコープ1および2の排出量を47%削減する目標を掲げていたが、既に79%の削減を達成している。
·       波及効果: 1億2,200万ユーロの資金を調達したIntact社は、ゲラン以外にもレミーコアントロー社と提携し、リキュール「コアントロー」へのアルコール供給も決定している。
この取り組みは、香水の主成分であるアルコールの概念を覆す世界初の試みであり、化粧品・製薬・酒類業界における脱炭素化の新たな標準となる可能性がある。


2.        Renault、Volvo、CMA CGMの3社が「商用車のテスラ」Flexisで崩壊した理由

革新的な電気商用車を製造するために設立されたスタートアップ、Flexis(フレキシス)を巡る争いは、ルノーが単独株主となることで決着した。2年前にフランスのルノー、スウェーデンのボルボ・グループ、物流大手のCMA CGMの3社連合として発足した同社だが、戦略の相違から関係が破綻し、4ヶ月に及ぶ紛争を経て合意に至った。
要点は以下の通りである。
·       独占所有権の取得: ルノーは、ボルボ(出資比率45%)とCMA CGM(10%)の全株式を買い取る。買収費用は「数億ユーロ」に上るが、既に2026年度決算で引当済みである。
·       市場予測の誤算: 欧州の電動バン市場は2030年までに3倍になると予測されていたが、2025年時点の電動シェアは11.2%に留まり、80%以上を依然としてディーゼル車が占めている。
·       戦略的対立: ルノー側が市況を鑑みて開発ペースの減速を求めたのに対し、ボルボは当初の計画維持を主張。さらに、実務を主導するルノーの独断的な意思決定にボルボ側が反発し、2025年末には司法管財人が仲裁に入る事態となっていた。
·       今後の展開: 2026年末に「ソフトウェア定義車両(SDV)」であるTrafic Van E-Techの販売を開始する。ボルボ2027年からこれを別ブランドで販売する。
プロジェクトは継続されるが、当初計画されていた3車種の展開や、サンドゥヴィル工場での2028年までの550人増員計画は下方修正される見通しである。最終的にルノーFlexisを解散し、事業を本体へ再統合する可能性が高い。