フランス欧州ビジネスニュース2026年2月23日(フリー)
1. 新興Aledia、世界マイクロLEDディスプレイ市場への参入準備
2. Exaion :Mara、EDF、仏財務省、Xavier Niel氏間の取引の内幕
3. フランスで忘れ去られたエネルギー産業、水力発電の復活
4. 価格下落、投資増加:EDFが直面する難問
5. 米産ガスへの依存加速:欧州は電化で「第2のロシア依存」を回避できるか
6. 極右 、自動車危機を利用してドイツの工場を支配しようとしている
7. EDF:Hinkley Point原子炉建設プロジェクト、引き続き遅延、業績に影響
8. イタリアのEnel社、米国の風力・太陽光発電所を10億ドルで買収
9. 対中一律30%関税の提言に専門家が警鐘 ― 欧州経済への波及効果を検証
1. 新興Aledia、世界マイクロLEDディスプレイ市場への参入準備
フランスのCEA LetiからスピンオフしたAledia社は、設立から14年の歳月と5億ユーロ以上の資金調達を経て、初の革新的マイクロLED製品「FlexiNova」を発表した。現在は220名の従業員を抱え、2021年に稼働したイゼール県の自社工場にて、アジアや米国の主要ディスプレイメーカー向けにサンプルの出荷を開始している。
本製品は6ボルトと9ボルトの変数を持ち、既存の電源構成を大幅に変更することなく、スマートウォッチ、車載パネル、ARグラス等の多様なデバイスに統合できる戦略的利点を有する。マイクロLED技術は、高輝度、高効率、長寿命においてOLED(有機EL)やLCD(液晶)を凌駕し、次世代ディスプレイの筆頭候補とされる。
今後の展望と課題は以下の通りである。
· 市場の転換点: 2027年から2028年が普及の分岐点となり、同社も2027年からの収益化を目指している。
· 競合と市場規模: サムスンやソニー等の巨人と競合する中、2030年までに10億ドル規模の市場に成長すると予測されている。
· 普及の壁: 量産歩留まりの改善と、成熟したOLEDに対するコスト競争力の確保が不可欠である。
同社は高性能な製造ラインを武器に、まずは高級車やウェアラブル端末などのニッチな高付加価値市場での定着を狙っている。
2. Exaion :Mara、EDF、仏財務省、Xavier Niel氏間の取引の内幕
数ヶ月に及ぶ政治的緊張を経て、EDF(フランス電力)のハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)子会社であるエグザイオン(Exaion)の、米国企業マラ(Mara)による買収が2026年2月20日に最終合意された。本件は政府主導で大幅に計画が修正され、米国の資本とフランスの主権維持を両立させる異例の着地となった。
主な内容は以下の通りである。
· 財務スキームと企業価値: マラが64%の株式を初めに取得し、2027年までに75%へ引き上げるオプションを持つ。企業価値は約1億6800万ドルと評価され、既存株式の買収(約4000万ユーロ)と、開発資金としての増資(約1億1500万ユーロ)を組み合わせる。
· グザヴィエ・ニールの参画とガバナンス: 実業家グザヴィエ・ニール氏が自身の持株会社NJJを通じて、買収主体であるマラ・フランスに約10%出資する。取締役会は8名(EDF:3名、マラ:3名、創業者:1名、NJJ:1名)で構成され、フランス側が多数派となる体制を確立した。
· 主権の保護と条件: 政府は外国投資規制権限を行使し、EDFに対する非競合条項を削除させた。また、米国のクラウド法等の影響を避けるため、機密データを扱う特定の事業範囲をEDF内部へ戻すといった法的制約を課している。
· 戦略的意義: 2024年に約400万ユーロの損失を出していたエグザイオンは、マラの資本により、AIやデジタルインフラ分野での規模拡大を目指す。マラ側は、本件はビットコイン採掘目的ではなく、欧州や中東での事業展開を狙う仏米協力プロジェクトであると強調している。