フランス欧州ビジネスニュース2026年2月10日(フリー)
1. STMicroelectronicsの株価、アマゾンとの数十億ドル規模取引を受けて急騰
2. Accor 、AIを活用して直接予約を促進、プラットフォームへの依存を減らす
3. ChatGPTでアプリをリリースした最初の仏eコマースサイト、Leboncoin
4. ルノー 、「商用車のテスラ」であるFlexisを完全買収
5. フランスの種子会社リマグラン、オーヴェルニュに新工場の建設を開始
6. 海上輸送:CMA CGM、Eutelsatを選択して艦隊の接続性を強化
7. SCAF:ドイツの航空宇宙産業、ベルリンに独自の戦闘機の開発を迫る
8. 中国の圧力に直面して欧州産業を救うための仏計画委員会の過激な提案
9. ベナルース氏:「国家と同様に、企業も主権について懸念する必要がある」
1. STMicroelectronicsの株価、アマゾンとの数十億ドル規模取引を受けて急騰
STMicroelectronics(以下、ST)は、Amazon Web Services(AWS)と、数10億ドル規模に及ぶ複数年の戦略的パートナーシップを締結した。この発表を受けて、STの株価は市場で一時約10%急騰した。
本合意により、STはAWSに対し、高速通信用信号処理やインフラ管理用マイクロコントローラ、データセンターの省電力化に寄与する集積回路などの重要コンポーネントを供給する。これらは、クラウドやAI、特に大規模言語モデル(LLM)の学習に必要な計算能力を支える不可欠な技術である。一方で、STはAWSのクラウド基盤を活用し、コンピュータ支援設計(EDA)によるチップ開発の最適化を図る。
現在、STの売上においてクラウド・データセンター部門が占める割合はわずか10%に過ぎず、主要顧客であるAppleやTeslaへの依存度が大きい。急成長するAI市場での存在感を高める上で、今回の提携は大きな転換点となる。
また、本契約には資本提携も含まれている。STはAWSに対し、将来の支払いを条件とした2,480万株(発行済株式の2.7%)の新株予約権(ワラント)を付与した。権利行使価格は28.38ドルで、7年間の行使期間が設定されている。これは、以前のAMDとOpenAI、あるいはNVIDIAとNokiaの事例と同様、テック大手がサプライヤーとの利害を一致させるための戦略的な手法である。
今回の提携により、STはAI革命の中核に位置づけられ、次世代インフラ市場でのさらなる成長が期待されている。
2. Accor 、AIを活用して直接予約を促進、プラットフォームへの依存を減らす
ホテル大手の仏アコーは、自社のアプリ「ALL Accor」をOpenAIのChatGPTに統合した。これにより、利用者は目的地や日程、希望するサービスを対話型AIに伝えるだけで宿泊先を検索できるようになり、最終的な予約はアコーの公式サイトへと誘導される仕組みである。
この取り組みの背景には、消費者の行動変化がある。2025年5月のBooking.comの調査によれば、消費者の40%が旅行計画にAIを既に利用しており、将来的な利用意向を持つ層は79%に達している。アコーの目的は、顧客との直接的な関係を強化し、予約体験を高度にパーソナライズすることにある。
また、ホテル業界にとって大きな課題は、15〜25%もの手数料を課すBooking.comなどの仲介業者への依存度を下げることである。自社チャネルへの誘導は収益性の向上に直結する。一方で、ChatGPT自体が決済機能(Stripeとの連携)を備え始めており、単なる入り口から新たな販売チャネルへと進化する兆しを見せている。
専門家や業界団体は、こうした技術導入が特定の巨大プラットフォームへの新たな依存を生むリスクを指摘している。しかし、アコーのデータ・AI責任者は、これを機会とリスクの両面を孕むものと捉えつつ、Perplexity、Gemini、Mistralといった多様なエコシステムと連携し、早期かつスマートに適応することが「生存戦略」であると強調している。