フランス欧州ビジネスニュース2026年1月29日(フリー)
1. 仏Mistral AI、AI企業Ekimetricsに注目
2. 「1,621箇所の溶接部を検査」:EDFの原子力発電所が微小亀裂のリスクと共存することを学ぶとき
3. 仏Jamespot、あるいはフランスのデジタル主権の初期の体現
4. 防衛: 仏政府、米管理下に入る LMB エアロスペースの「黄金株」を取得予定
5. 米国に続き、スタートアップ企業Too Good To Go、日本進出を狙う
6. 宇宙:Anywavesがルクセンブルクに拠点を置くEmTroniXと合併
7. 宇宙:軌道上で燃え尽きた衛星でヨーロッパから称賛されたAlpha Impulsion
8. ドイツが成長見通しを引き下げ、フランスにとって懸念材料
9. 予測不可能なトランプ氏に直面、ドイツ、金塊の本国送還を考えている
10. 原子力分野での復帰を核融合に賭けているドイツ
11. ドイツ:産業の競争力維持を迫られ、ベルリンはエネルギー政策を改訂
12. ドイツ企業 、米国への投資を減らし、中国への投資を増やしている
1. 仏Mistral AI、AI企業Ekimetricsに注目
フランスの生成AIスタートアップ、Mistral AIの共同創業者兼CEOであるアルチュール・メンシュは、欧州での地位を強化するため、2026年に複数企業の買収を行う意欲を示している。最新の情報によると、同社はパリを拠点とするAI・データコンサルティング企業、Ekimetricsの買収を検討していた。
Ekimetricsは2006年に設立され、現在は500人以上の従業員を抱える。L’OréalやRenaultなど、世界100カ国、200社以上の顧客にサービスを提供している。同社は2028年までに売上高を5億ユーロ近くまで引き上げ、人員を3倍にする計画を掲げており、独立性を保つために新たな財務パートナーを模索中である。
Mistral AIが買収を望む背景には、AIモデルの低価格化に伴うビジネスモデルの転換がある。同社は2026年末までに売上高10億ユーロという目標を掲げている。単なるモデル提供から脱却し、米Palantirのように顧客企業へエンジニアを派遣し、特定のデータに最適化したサービスを提供する「サービス業」へのシフトを急いでいる。
Ekimetricsのような実績のあるサービス企業の買収は、この戦略に合致する。しかし、現時点では買収ではなく、パートナーシップの構築に留まる可能性が高い。フランスにはAIモデル、コンサル、計算資源の各分野に有望な企業が揃っており、これらが連携することで、OpenAIやGoogleといった米国の巨大企業に対抗する欧州の「ドリームチーム」形成が期待されている。
2. 「1,621箇所の溶接部を検査」:EDFの原子力発電所が微小亀裂のリスクと共存することを学ぶとき
フランスのEDF(フランス電力)は、2022年から2023年にかけて国内の原子力発電所群を停止させた「応力腐食割れ(CSC)」が、再発した可能性があることを明らかにした。
原子力安全・放射線保護局(ASNR)の発表によると、2025年10月、シボー1号機の配管において2つの新たなマイクロクラック(微小な亀裂)が発見された。この箇所は、過去の危機時に交換や修理が行われた部位に近い。同様の事象は2025年6月にシボー2号機でも確認されており、修理済みの箇所でCSCが再出現した事例は、現時点でこれら2件のみである。
CSCは、鋼材への酸化と機械的応力が重なって生じる現象だが、その正確な原因は依然として特定されていない。ASNRは、配管内の温度層形成や建設時の溶接補修が影響していると分析している。今回、シボー1号機で見つかった亀裂は深さ2.8mmであり、安全上の直ちの影響はない。EDFは予防策として、米国等で実績のある「圧縮カラー」を用いた応力緩和処置を施し、2027年3月の定期点検時に本格的な補修と原因分析を行う方針である。
EDFはこれまでに全原子炉で合計1,621カ所の溶接部を検査し、80以上の有意な亀裂を検出してきた。当局は状況を概ね制御下にあるとしているが、今後もリスクの低い箇所で新たな兆候が見つかる可能性を示唆している。CSC問題は、今後の原子力発電所の運用において長期的に向き合うべき課題となっている。