フランス欧州ビジネスニュース2026年1月26日(フリー)
1. TotalEnergiesと米ConocoPhillips、リビアで200億ドルの契約を獲得
2. ヒートポンプ:仏政府、購入補助金をヨーロッパ製の製品のみに
3. ドイツ対フランス:電気自動車購入補助金の復活
4. ガス貯蔵:欧州は前例のない課題に直面
5. 防衛から決済システムまで、欧州の米国への多重依存
6. 「利用において、電気自動車は大幅に安価だ。」
7. ブリュッセルで、欧州委員会が「Made in EU」の泥沼にはまっている
8. スペインの列車事故:レールの破損が脱線の原因とみられる
1. TotalEnergiesと米ConocoPhillips、リビアで200億ドルの契約を獲得
リビア政府は2026年1月、仏TotalEnergies(トタルエナジーズ)および米ConocoPhillips(コノコフィリップス)との間で、25年間にわたる総額200億ドル超の石油投資契約を締結した。アブドゥルハミド・ドベイバ首相によれば、この契約により期間中に3,700億ドル以上の収益が見込まれ、資金調達は全額国家予算外で行われる。
アフリカ最大の484億バレルの石油埋蔵量を誇るリビアは、現在日量約150万バレルを生産している。しかし、2011年のカダフィ政権崩壊以降、国内の政治的分断と治安悪化がエネルギー部門の大きな課題となっている。現在もトリポリを拠点とする暫定政府(GNU)と、東部を掌握するハフタル将軍派の2つの勢力が対立している。
今回の合意はトリポリで開催された「リビア・エネルギー・経済サミット」で発表された。会場にはドナルド・トランプ米大統領の中東顧問マサド・ブーロス氏らも出席し、リビアが世界のエネルギー大国として復帰することへの期待を表明した。さらに、リビア側は米Chevron(シェブロン)との探査・開発合意や、エジプトとのサービス支援合意も進めている。
TotalEnergiesは1954年からリビアで活動しており、今回の契約を通じてWaha(ワハ)やSharara(シャララ)等の油田生産拡大、排出削減、500メガワット級の太陽光発電開発などを加速させる方針である。リビア国営石油公社(NOC)は、来月にも新たな石油・ガス探査の入札を実施する予定である。
2. ヒートポンプ:仏政府、購入補助金をヨーロッパ製の製品のみに
フランス政府は、台頭するアジア製製品に対抗し、産業の脱炭素化と国内生産の活性化を図るため、住宅用ヒートポンプ(PAC)の購入補助金制度を刷新する方針を固めた。
現在、フランス国内の生産能力は年間30万台に達し、さらに20万台の増産計画があるものの、市場の低迷により既存設備は十分に活用されていない。当初の計画では2027年までに年間100万台の生産を目指していたが、2025年の国内販売予測は19万台にとどまる見通しである。こうした苦境にある欧州メーカーを支援するため、政府は補助金の一部(最大2,800ユーロのCEE加算金)の支給対象を、欧州経済領域内で生産された製品、特に冷凍回路が欧州製であるものに限定する。
この新制度は1月中旬から専用サイトでの申請受付が開始され、7月初旬に採択リストを公表、9月から適用される。業界団体は、この「欧州優先」の施策が安価な輸入製品への依存を抑え、産業上の主権を確立するものとして歓迎している。背景には、アジア勢が低価格戦略で市場シェアを拡大している現状があり、政府は補助金の条件を厳格化することで、需要を欧州・フランス製へと誘導する狙いがある。
一方、仏大手アトランティック社の日本企業への売却検討など、業界再編の動きも加速している。政府は国内の雇用と工場を維持するため、外国直接投資(IDE)の観点から審査を行う方針である。